山荘ライフのノウハウ

別荘や山荘での生活を楽しむには、別荘地のルールを知った上で、高地であるが故の知識や、やはり都会では味わいにくい楽しみを得るためのノウハウを、先達のホームページやネット検索、YOUTUBEなどの動画で学んだ。受け売りの部分も多いが、私なりに少しづつまとめていくことにしたい。これから山小屋生活をという人の参考となれば幸いです。

真冬に暮らす

暖房の準備

蓼科ビレッジは標高1100mから1700mの蓼科中央高原に拡がり、600mの標高差がある別荘地で、その場所によって大きく過ごし方は変わる。いずれにしても暖房準備は欠かせないが、特に標高1630Mの新井山荘では、暖房を必要としないのは、6月中旬から9月中旬までの3か月間だけなので、暖房設備は非常に重要です。永住か通年使用か冬季不使用かで若干変わるものの、私は薪ストーブと+αの複合暖房をお勧めします。+αは電気でも灯油でもガスでも良いと思いますが、停電の際はエアコンもFF暖房機も使えなくなることを考えておかなければなりません。薪ストーブの無い真冬の停電は命の危険を感じます。また、永住の場合は別ですが、薪ストーブだけでも困ることがあります。真冬の来訪の際、氷点下の室内を暖めるには、相当の時間が必要なので、薪ストーブが暖まるまでの速暖の暖房機を手に入れたくなります。
私の場合の薪ストーブの導入については「山荘のグレードアップ」に述べていますので、参照ください。

薪の準備

薪ストーブ用の薪は乾燥が重要です。例が適切がどうかですが、「ジェット航空機は燃料の半分は燃料の重さを運ぶために使われる」そうです。同じように、未乾燥薪を使用すると薪の水分を蒸発させるために燃焼エネルギーを使うことになり薪の使用量が増えます。着火時間が長くなり、温度上昇も遅く、何よりも不完全燃焼による煙や煙突へのタールの沈着が発生し、薪ストーブと煙突の寿命を極端に短くするなど、何も良いことがありません。従って良く乾燥した薪を常に準備していることが大切です。

どのくらいの薪の量が必要かと言えば、当然、部屋の大きさ、外気温や一日の燃焼時間によって大きく違う訳ですが、私個人の感覚で言うと、1時間あたり太薪で2本、細めの薪で3本は必要です。真冬の外気が低い時はこんなに減るの?というぐらい使います。
夏季を除く100日間程度、薪ストーブだけで過ごすことを想定し、乾燥薪を業者さんから購買した場合の薪代は20万円から30万円もかかる計算です。私の場合はコスト削減のために、丸太(2m)を買ってチェーンソウで玉切りし、斧と薪割り機の併用で、薪割りして、薪棚に載せて1年半から2年乾燥させて使っています。しかし、これも薪ストーブを主暖房とする量を確保するのは、本当に大変です。多くの人が薪ストーブを挫折する主原因はこれではないか?と考えています。

これから寒冷地で薪ストーブを導入したいと考えている方は、、薪が自由に調達できる人は別にして、あくまで「趣味の暖房機」(趣味としたら少し高いですが)と考えた方が良いと思います。私はもともと山荘取得の動機が「焚火→薪ストーブ」だったので、「炎を見たい時に焚く」「気持ちよく暖まりたい時に焚く」ようにしています。
玉切り、薪割りも楽しめる範囲に留めないと、頭の中が「薪」のことで一杯になってしまいます。

雪への対策

新井山荘の積雪は最大20㎝程度で、裏のメルヘン街道は国道で国が、正面の道路はビレッジの管理事務所が雪かきをしてくれます。その雪かきの故に、道路の端に押しやられた雪の塊が山荘敷地の境界に積み上げられた形になっているのを、事前に崩しておかないと、車がスタックして身動きが取れなくなります。もうひとつはウッドデッキに屋根がない場合、積雪が長くデッキ上に留まることで、木部の腐朽を早めるので、雪かきが必要です。また、屋根に積もった雪は、溶けだして軒で凍って氷柱になります。気温が上がると長さ50㎝ほどのものが落下するので、この時期は気を付ける必要があります。

揃えたい機材

チェーンソウ

乾燥した割薪を全量購入するという選択肢を取らない場合は、チェーンソウは山小屋生活においては必須の道具です。私は薪代を安くあげるために2m~3mに切った丸太を山小屋まで運んでもらい、30㎝から40㎝の玉切りにしています。その他、敷地内の木の枝落としやウッドデッキの修理で取り換えた木材を切断して薪にするのに使っています。慣れればそんなに難しい道具ではありませんが、危険であることは間違いないので、しっかりプロに教わることが大切だと思います。私はコマツの教習所でやっている「伐木等の業務に係る特別教習」という二日間の教習を受講しました。特に安全のための知識とメンテナンスの実務は役に立っています。

私の使っている機種はハスクバーナの135eです。CPの非常に高い機種と思います。ネットでは3万円を切って販売されていますが、少し高くても、農機具などの専門販売店で買われることをお勧めします。使用している内に必ずトラブルに見舞われます。その時に相談できるところがあるのは心強いことです。

斧・薪割り機

薪割りの楽しみは、やはり斧で割ること。割れた時の感触は何とも表現が難しいが、快感です。でも、やはり固い楢の木は一発では割れないし、節があるとなおさら手こずります。そんな時のために、手動の油圧式薪割り機を購入しました。今までにこれで割れなかった木はありません。長く続けるためには、「楽しみ」と「楽」の両方をバランス良く組み立てることが重要と思います。

普段はこれで十分なのですが、敷地内のカラマツを2本伐採してもらい、それを薪にしようと2Mの丸太にして置いてもらいました。これをチェーンソウで玉切りしましたが、あまりの量に斧で割っていて何か月もかかってしまうので、エンジン薪割り機をレンタルして丸一日で全て割ってしまいました。

キャリーカート

割った薪を薪棚まで運ぶ労力もなかなか大変なものです。これはキャンプ用具を運ぶためのワゴンですが、薪の運搬に重宝します。坂を引き上げる力を軽くするために、滑車を付けたロープで引っ張り上げています。

電動工具(製作中)

脚立(製作中)

動物への対策

スズメバチ

スズメバチはデッキでのバーベキューや庭作業中に刺される恐れもあり、時には命に関わる事故につながります。また、山荘の軒や天井裏などに巣を作られれば、素人では駆除が難しくなります。駆除のポイントは女王蜂が単独で活動している時期を狙うことです。春先の冬眠から覚めた女王蜂が、巣を作る場所を物色しているタイミングと、秋口の来春に向けて冬眠のための場所探しをしている時です。蓼科では5月末から6月と9月末から10月を狙ってスズメバチトラップを作って木の枝につるしておきます。作り方はネットに何種類か紹介されていて、その中で私は酒・酢・砂糖を混ぜるパターンとグレープフルーツジュースを使うパターンの両方を試しましたがどちらも効果があります。一匹が捕まるとその個体がSOS(攻撃目標)の分泌物を体から出すようで、次々とやって来ます。ですから人が歩く通路や建物の近くには設置しないようにこころがけましょう。

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