山荘のグレードアップ

蓼科ビレッジは3500以上の区画があり、昭和30年代から順次開発が進められ、築30年以上の物件も多い。従って、中古で手に入れた以上、メインテナンスは必須で、私の場合はそれ自体も大きな楽しみと捉えている。山荘を手に入れる前に設定した目的を再掲するが

  1. 夢の実現    (薪ストーブを焚ける山小屋を持つ)
  2. 自炊練習の場  (妻に代わって台所に立つ前に、別の場所で練習が必要)
  3. 友人を招く   (使い続けるための、また、整備や清掃のモチベーションとなる)
  4. 災害時の避難場所(地震・風水害の際、一時的に退避できる場所の確保)
  5. 声楽の練習場所 (家では中々難しい声楽や合唱の練習場所として)

未だ未だ途上であるが、これに沿って、3年間で整備してきたことを纏めていきたい。

水回りの改修

別荘使用は大きく分けて、①定住②通年使用③冬季を除き使用 に分類され、それによって必要な設備が異なるが、購入した別荘の前オーナーは冬季は使用していなかったため、通年使用を想定した場合には、水回りの改修が必要となった。
具体的には冬季の配管の凍結を避けるため、水を全て抜けるように給湯・給水の配管を傾斜させ、凍結防止帯を巻き直す工事を行った。同時に1階トイレの便器を冬季の水抜きに対応したものに取り換え、風呂の追い炊き釜の取り換えと合わせて業者に依頼をした。
2社に見積もりを依頼したところ、総額で2割ほど金額差があったため、明細を突き合わせせたうえで、安い方に発注した。

FFファンヒーターの導入

標高1630Mは阿蘇山よりも高く、岩木山に匹敵する。
気温は平地よりマイナス10度から15度、酸素濃度は83%、沸点は95度である。
真夏は30度を超えることは無く、エアコンを必要としないが、真冬は氷点下10度から時には20度に迫ることもあり、暖房機は必須となる。
後述する薪ストーブは点火してから部屋全体が温まるまでに、ほぼ1時間かかるのと、温度調節のための薪量管理に注意が必要なため、併用暖房として灯油のFFファンヒーターを導入した。

通常の石油ストーブは標高500m以上は高地補正が必要となり、1300mが限界というものが多いが、SUNPOTやCORONAのFFファンヒーターは2000Mまで対応する機種があり、私はSUNPOTを選択し、室外に200Lのタンクを設置した。電話一本で灯油をタンクローリーで補給してくれるので便利です。

炉台・炉壁のDIY

薪ストーブを導入するには、置き場所に炉台、後ろに炉壁が必要となる。炉壁は簡易的に衝立のような市販品もあるが、やはりストーブの背面としては造り付けがイメージが良い。炉台はストーブを直接、床に置けないので防火上も何らかの台は必要となる。業者に依頼した場合は、ピンキリだが10万~20万円くらいは覚悟しないといけない。そこで、山小屋生活で初めてのDIYを、炉台と炉壁の製作でスタートした。

薪ストーブは下へはそんなに強い熱は行かないようなので、炉台はストーブの重さに耐え、火の粉が落ちても大丈夫で掃除のしやすい大判タイル仕様とした。もともとあった小さなストーブ台に重ねて広げる形で、2✖4材で土台の骨組みを組み、その上にコンパネ、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)を重ね、タイル用ボンドでタイルを接着し、目地を埋める加工で完成。

炉壁については、家屋の壁が長時間、高熱にさらされ、徐々に炭化してゆき、火災を発生させることを防ぐために、一般的には、後ろ壁との間に数センチの空気層をつくるルールとなっている(ストーブの種類にもよる)そうなので、パネルを別につくり炉台に乗せてから少し後ろに傾けて支柱で支える方式にした。

コンパネに石膏ボードを張り、ノダ・ラスカット(耐水ベニヤにモルタルを塗り付けたもの)を重ねたものに木枠をビス止めした。ここまでは、別の場所で寝かせて加工してから炉台まで運んで固定した。(超、重かった!)この上に、レンガのように見えるタイル(かるかるブリックという製品)を、タイル用のモルタルで張り付けていく。非常に軽量なので、通常は両面テープでも良いようだが、やはり高熱に長くさらされることを考えて全面モルタルでの接着とした。
その後目地用モルタルを埋め、濡らした雑巾で拭き取って、炉壁の完成。
最後に塗装した炉台の木枠を固定して全体の完成となった。

電動工具も使い慣れず、タイルの切断やモルタルの塗り方なども初めてで、結構苦労はしたが、DIYの良いところは、自分が納得すれば、少々の失敗は置いておき、達成感に浸れることを実感した。

出来栄えとしては、ほぼ満足していますが、唯一の反省点としては、炉台のタイルに接着剤がついてしまい、その汚れが落とせなかった事です。また、右の窓下は元のままでバランスが悪いので、そのうちと思っています。

費用は概算で材料費のみで3万円程度です。

薪棚のDIY

薪ストーブは概ね機種を選定したが、工事までに日があるので、薪棚を作っておくことにした。軒下に既成品のメタルラック(本来は室内用)、ウッドデッキ上に、ホワイトウッド2✖4材でポリの波板を屋根に張って2台製作した。特に、設計図も書かず、ネットで紹介されていた形をイメージして結構荒っぽく取り組んだが、ほぼイメージ通りに出来た。

当初は庭に基礎を置いて作ろうとしたが断念した。
その理由は、ひとつは、寒冷地なので、凍結深度以上に土を掘って、基礎を入れなければならないということで、茅野市北山の場合は1.2Mという深さまで基礎を入れる必要があります。重機もなく、一人では、とっても無理です。
もうひとつは、薪を補充するのに建物から遠いのは、長い目で見ると、効率が悪く、雪や雨の日に薪を補充することを考えてのことでした。

薪ストーブの導入

どの機種にするか?

いよいよ薪ストーブの導入です。
薪ストーブに関する書籍を買ったり、ネットで調べたり、どの機種にするかを悩んでいるのは大変楽しい時間でした。が、あまりにも種類が多く、値段も大きな開きがあり、どう絞っていくのか中々検討がつきませんでした。車のように試乗してということも出来ず、ネットでの評価もまちまちで、実際に国産も入れれば50社以上はあると思われるメーカーの薪ストーブをすべて実際に焚いてみて比較・評価している人はいないと言って良いでしょう。ネット情報も偏りがあると考えた方が良いようです。

となれば、自分なりの選択基準と、好き嫌い、予算で絞るしかないと考えました。
私の目的から考えて暖房手段ではあっても、第一に炎を楽しむという点に重点を置いて考えていきました。その他の軸についても優先順位をつけて条件をリスト化すると

  1. ガラス面が広く、炎がきれいに見えること
  2. ストーブTOPで料理ができること
  3. 針葉樹を薪(焚き付けだけでなく)として使えること
  4. デザインに風格があること

上記の4条件に対応した候補を最終的に4機種に絞りました。
①バーモントキャスティングのアンコール ②ヨツールのF400 ③ダッチウエストのエンライト ④ネスターマーチンのS43のB-TOPモデル

以前は針葉樹は薪ストーブには向かないという指摘が多かったようですが、最近は十分乾燥したものであれば問題ないという見方が多いようです。但し、触媒式のものは、寿命が短くなるという記事もあります。最終的には多次元燃焼方式を採用したベルギー製のネスターマーチンを選択しました。決め手になったのは、前面ガラスの大きさと内部の二重構造による燃焼空気の還流で、低温度での完全燃焼を実現し、炎の美しさと針葉樹主体の燃焼を可能としていることでした。飾りの少ないデザインも気に入りました。

どこに発注するか?

今は違うかも知れませんが、3年前はネスターマーチンを扱っている薪ストーブ屋さんは意外と少なくて、京都の京阪エンジニアリングさんが日本の販売代理店になっておられるようで、関東で商品を扱っているところをネット調べ、埼玉県で「達人」といわれるエンフリーの金子稔さんに問い合わせをしました。片道3時間かかる茅野まで工事に来てもらえるか不安でしたが、快く引き受けていただき、下見をして見積もりをいただきました。下見後にアドバイスをいただき、「煙突はできるだけ真直ぐに高くあげること」が燃焼にとって大事ということで、リビングから2階の客室を貫通させて屋根に抜くことになりました。5LDKの内、リビングはFF暖房機と薪ストーブのダブルストーブとして、1階の管理人室と2階の客室4部屋は暖房を入れず、このメイン暖房で全館を温める考え方とし、ネスターマーチンは炉台の左寄り、つまり部屋の中央に出来る限り寄せた方が暖房効率が良いということで、煙突は少し傾斜がつくこととなりました。

丁寧な仕事をしていただき、設置完了しましたが、薪の準備も無く、ストーブを焚く気温では無かったため、初焚きはせず9月を待つこととなりました。

薪の調達

薪ストーブで使用する薪は少なくとも1年半以上、薪棚で乾燥させて使うと、薪ストーブの入門書には書いてあります。従って薪ストーブ初心者の私は、乾燥薪を買うか貰うしか手はありません。最初の薪購入は伊那市のグリーンファームさんでした。軽トラックに自分で積み込んで、1台分の楢の薪が当時12000円だったと思います。軽トラをレンタルして高速を使ってなので、コスパは良くありませんが、今でも焚いている良質の乾燥薪が手に入りました。針葉樹の薪はヒノキを近隣で手に入れて取り合えず初焚きの体制は整いました。

ネスターマーチンを3年使って

導入から約3年を経て、ようやく感想を書いても良いかなと思うようになりました。まだまだ、試したいことは山ほどあるのですが、現時点の感想を書いておこうと思います。

ネスターマーチンは陽だまりの暖かさ

薪ストーブはと言いたいですが、他のストーブは経験がないので、私の使ったネスターマーチンS43 B-TOPモデルに限定して報告します。
FFのファンヒーターとの併用で過ごしてきていますが、薪ストーブの熱は本当にやさしく、体の芯が暖まります。陽だまりの暖かさです。本体が暖まれば、近くでは熱いくらいで、外気温は氷点下でも室温は25度を超え、Tシャツ一枚で過ごせます。
ファンヒーターは熱風による対流で暖まりますので、やはり部屋の上部が熱く、足元が中々暖まらないのですが、薪ストーブは足元もしっかり暖まります。

ネスターマーチンの火は見飽きない

焚火の炎は魅力的ですが、薪ストーブの炎はもっとバリュエーションがあります。本体の暖まり方、薪の状態、空気の取り入れ方次第で、様々な燃え方を見せてくれます。ザックリと大きく分類すると、

  1. 着火時の明るく鋭い炎
  2. 本体を暖めている時の強く勢いのある炎
  3. 巡行状態になってからの落ち着いたやさしい炎
  4. 薪が熾きになった炎の少ない燃焼
  5. 空気をグッと絞った状態でのオーロラのように揺らめく炎

どれも飽きずに見ていられます。

下記のYOUTUBE動画を参照ください。

ネスターマーチンは使いこなしが必要

他の薪ストーブもそうかもしれませんが、ネスターマーチンの持っている特徴に合わせて、運転の仕方に工夫がいるように思います。ネスターマーチンには空気の取り入れ量の調整弁がふたつあり、その組み合わせで様々な焚き方が可能です。それに加えて薪の種類と量、炉内での積上げ方など、変化は無限大と言っても過言ではありません。
唯一 どの薪ストーブでも絶対と言える大事なことは、「薪の乾燥」でしょう。針葉樹、広葉樹に限らず、これが大丈夫でああれば焚き始めから、自然消火まで、何の問題も無く御することができます。一旦ストーブ本体が蓄熱すれば、薪が燃え尽きた状態からでも直ぐに復活が可能です。

過去に2回、焚き始めに炉内に煙が充満し、その煙が外に漏れ出て、リビング中に煙が回る事態となりました。最初に投入したカラマツの芝や新聞紙が湿っていたためでした。直ぐに乾いた小薪にバーナーを当て、炎を強く出すことで、ようやく難を逃れました。

ネスターマーチンのS43は大きさとしては充分だったと思います。他のメーカーの同等クラスとしては総発熱量は高くないのですが、一旦暖まってしまうと、5LDKの全館暖房としての力は存分に発揮してくれます。ただ天板温度が230度くらいになると、近くには寄れないほど暖かく、季節によっては、この制御が難しいほどです。


厳冬期には、最初から針葉樹の薪を大量に投入し、短時間の炉内温度を上げ、一旦熾きを大量に作って広葉樹に切り替えていく方が良いように感じています。
逆に初秋や春には針葉樹の小薪を使って徐々に炉内温度を上げ、細めの針葉樹中心に投入し、天板温度を180度から200度ぎりぎりくらいで続ける方法で部屋の温度を上げ過ぎない工夫をしています。

まだまだ、使いこなすには、トライアルが必要と感じておるところです。

2年と少しで煙突掃除

山荘は標高1630Mにあるため、冬、つまり暖房が必要な期間が長いと言えます。通常は9月の中旬から、翌年の6月初旬までは、薪ストーブに火を入れます。灯油のFF暖房機と併用ですが、ほぼ通年で使用しているため、煙突にどの程度、煤やタールが溜まっているか確認したいこともあり、煙突と本体の清掃をストーブ生活茅野店の岡田店長にお願いしました。屋根勾配は7寸(35度)でスキー大倉山ジャンプ台の最大斜度と同じで、濡れたカラマツの葉が堆積している場所もあって、相当、慎重に作業してもらいました。煙突の状態は非常に良く、煤やタールの堆積も2年強としては少なくて、煙突清掃の頻度は3年に1回で良いのではとのアドバイスをいただきました。
今のところ、焚き方は大きな間違いはないとのお墨付きをもらったようで、大変嬉しく思いました。

難燃ラグは必須

炉台が大きくとってある場合は別ですが、一般的な大きさの場合、薪ストーブの前面には難燃ラグを置くことが必須となります。
ネスターマーチンの燃焼中には前面扉を何度も開けることになりますが、その際、薪が爆ぜたり、薪ぐみが崩れたりする時に、熾火が飛んで出ることがあります。知らずにいると最悪は床から出火することになってしまいます。最低1800✖900程度のものは敷いておきたいですね。

火傷には気を付けよう

輻射式のネスターマーチンは天板温度が350度、それ以外の本体も当然ながら200度を超えることとなります。通常は耐熱手袋をしていますので、火傷をすることは稀です。しかし、私は今までに、同じ状況での火傷を3度経験しました。そのケースは全面扉を開けて薪を補充したり、薪組をいじったりした時に、扉に右腕の上腕が触れて火傷するケースです。耐熱手袋は肘の手前までは保護していますが、うっかり開いているストーブの扉に上腕が触れてしまうことがあります。

真冬の蓼科への構え

隙間風と結露対策

グレードアップとはとても言えない内容ですが、マイナス10度以上になる真冬には中古山荘は工夫が必要です。最近の建築では高気密・高断熱住宅を提唱し、寒冷地では二重サッシ、ペアガラスが常識のようになっていますが、部屋数が多ければコストも大変です。暖房を1階リビングにしか配置しない考え方では、暖房効率を上げるためには部屋の気密性と断熱性を上げる工夫が必要となります。2階の4室は客間で、来客の時は、ほぼ着替えや就寝のための部屋と考え、かっこうは悪いですが、各ガラス窓にプチプチロールを両面テープで添付しています。これは外気温との差が30度以上にもなる真冬の結露対策にも役立っています。合わせてサッシや扉の戸当たりや上下には隙間風を防ぐテープを張っています。これは冬季の結露対策としても有効です。

客間に暖気を導入する

2階は4室とも個人の物は置かずに客間として整備しています。家族が泊まる時も、来客として扱うことにしています。冬季でもリビングで暖房していると2日目くらいからは全館が少しづつ暖まってきますが、それでもリビングと比べ、10度以上の気温差になってしまいます。2階で一番狭い客室は、窓寄りに薪ストーブの煙突が床から天井に貫通しており、その暖気で一番暖かい部屋になっています。残りの3部屋の内、2部屋の和室には、もともと前オーナーが台所から2階に食べ物を上げるために作ったと思われる竪穴を改造し、途中に上向きのファンを置いて暖気を上げるようにし、リビングとの気温差を小さくすることができました。
もうひとつの洋間は今のところ手立てがない状態で何か考えることにしています。

客室の拡大とベッド台のDIY

客室が二階に4部屋ある中で、中央にある洋間が少し狭く、シングルとなっているが、この部屋に1階のリビングにある薪ストーブの煙突が床から天井まで貫いているので、ストーブを焚いている時は他の部屋よりも室内温度は4~5度程度高い。出来ればツインにしたいと考えて、押入れを壊して床、天井、壁に、カーペットとクロスを張り拡大した。

この部屋に入れるもう一つのベッドは部屋の出入りの関係で、小さめのものを探したが、手ごろなものが無かったため、ベッド台のみ自作することとした。半分のベッド台を縦横の組合せを変えることで、ベッドマットの大きさに対応できるように工夫した。

ウッドデッキの修理

ウッドデッキは中古山荘の購買条件のひとつでしたので、期待をしていましたが、広さは7.5坪(約25㎡)あり充分な大きさでしたが、やはり経年劣化は否めず、早い段階での部分修理が必要と言われていましたので、段階を追って整備することにしました。

床板の取替えと再塗装

床板には相当の劣化が見られ、足を踏み抜く恐れもあったため、先ずはその部分を優先してホワイトウッドの2×4で取替え、もう少し大丈夫なところは、塗装を剥がしてキシラデコール(木部専用塗料)で再塗装した。

階段の作り替え

階段は常に力が加わり、風雨に晒されている場所でもあり、特に劣化が激しかったので、骨組みから解体して新たに付け替えることとした。構造は壊す前に十分メモ、採寸し、元の形に組み上げた。

デッキ屋根の新設

これまでのDIYの中で、最も時間も、コストも、知恵も、、エネルギーも、つぎ込んだと言えるものとなった。
ウッドデッキは25㎡(15畳)あり、薪棚を3台置いても10人でバーベキューが可能なほどで大満足なのだが、唯一の難点は「雨」と「雪」。この山荘は雨樋がついていないので(カラマツ林の中にある山小屋は細かい落ち葉が雨樋に詰まる)、雨は降っている間だけでなく、止んだあとも暫くは屋根の落葉が吸った雨の雫が何時間も落ちてきて、作業ができない状態が長く続く。これを何とかしたいと、DIY本やネットで調べて、何とか素人で出来る方法はないかと探して、現状ある手摺に2✖4材を重ねて繋ぐ方法でできると考えた。一番苦労した点は、デッキ屋根の傾き(勾配)を決める方法でした。勾配がゆるいと枯葉や雪が落ちていかないし、きついとポリカーボネートの板を貼るのに危険が伴います。何度か試行錯誤しながら最後は雰囲気で決めてしまいました。

大工さんのようにホゾで繋ぐのは大変なので、シンプソン金具を多用しています。縦の柱を含めて構造の材は通常使っているホワイトウッドでは無く、ウエスタンレッドシダー(WRS)を使用した。WRSのデッキ材はホームセンターでは扱っておらないので、専門店にネットで注文するしかありません。何社かありますが、私は山梨の木工ランドにネットで注文し、車に乗る2800mmまでは取りに行って配送費を浮かせましたが、3000mm以上のものも必要なので、2度ほどトラックで配送してもらいました。

デッキ屋根の最大の効用

デッキの屋根は雨や雪の中でも作業やバーベキューができるようにすることが、その目的でした。完成後はデッキで作業可能な時間が大幅に増えた上に、毎日、雨に備えて、機材、備品、素材を屋内に戻す必要がなくなり、本当に助かっています。
もうひとつは、デッキの木材の寿命が大幅に伸びることが予想されます。デッキの腐朽の最大原因は湿気で、カラマツの細かい枯葉が隙間に溜まり、そこに湿気が蓄積されて、傷んでいきます。その雨、雪、枯葉が防げるので、紫外線の影響は避けられませんが、床板の塗装、張替え頻度が相当少なくなると考えています。もっと大きなメリットは通常ウッドデッキの床材はホワイトウッドでは2年から3年程度で痛みが出て、塗装や張替えが必要となりますが、屋根があることによって、雨、雪による湿気と紫外線が当たる量が大きく軽減され、倍以上の値段がするウエスタンレッドシダーなどを使わなくすむことです。全国のウッドデッキユーザーには是非とも屋根を作られることをお勧めします。